ステアリング
犬ぞりにハンドル(握る場所)はありますがハンドル操作でそりは曲がりません。
特に下りと狭いトレイルではチームの長い全長による内輪差予防とそりの直進性によるコース逸脱予防をブレーキ操作、体重移動、ペダリングで行ないます。
狭いトレイルでのカーブでは、主にロープのテンションを緩めたりペダリングをすることでそりの直進性を利用してアウトに。ブレーキでロープのテンションを強めて犬の引きと内輪差でインへとそりを導きます。カーブでは体重移動での内傾も大切な動作の一つです。
ギアチェンジ
そりにギアはありませんので勾配を早めに判断し、犬達をスムーズに走行させるためにシフトダウンとしてペダリング、ランニング、押す、ブレーキでやはりマッシャーが人力負担でおこないます。犬の感じる重さを一定に保ってあげるのがコツです。
シフトアップとしては段階的な柔らかいブレーキ操作とタイミングの良いそりの押し出し等で、ロープのショックをやわらげ、犬が感じる急激なギクシャクとした重量変化を軽減してあげます。ランニングからそりに乗る場合はペダリングに移行してから段階的に体重をかける。それには常にロープと各犬の状態を把握している必要があります。
ブレーキ
減速、ストップ、特に重要なのはロープの張りを保つブレーキ操作。犬ぞりは最初のスタート時が最もスピードがあります。車など通常の文明的な乗り物は当然だんだんスピードが上がりますが犬ぞりは逆で、慣れていないスタートのときが最もスピードが速いのです。スタート時には犬のスピードを揃えてロープの弛みを防止するために軽くブレーキで減速していなければならないのですが、あまりのスピードの怖さで強くブレーキを踏みすぎるマッシャーがほとんどで、犬のやる気を削いでしまいます。
総合的操作
これから通るコースの勾配や状態を早めに判断してペダリング、ランニング、コマンド、ブレーキの適切なタイミング操作と体重移動でスムーズなコーナーリング等々を人力負担でマッシャーがおこないます。
次に、犬は自分達で2列縦隊を維持しているのではありません。マッシャーがその体制が崩れないように(ロープが絡まないように)主にブレーキでロープテンションの管理をおこないます。走行中はいかなる時も犬の状態に気を配り、様子がおかしければそれを確認、解決してあげなければなりません。
例えば犬達は奴隷ではありませんので走り出すとお腹が緩んで頻繁にウンチがしたくなりますので、しぐさを発見したら止まれる場所では止まってさせてあげます。
トラブルよくあることとしては
○犬の足にロープが絡んだ
(止まって自分で外せない場合は外してあげる)
○犬の足の裏に雪や氷の玉ができて走り辛い、痛い
(止まって取ってあげる)
○走る犬の体が上下動する
(足を痛めている場合がある)
○ネックラインに引かれてしまう
(疲れた、体調他の異常)
○ロープを弛めたままでいつまでも走らせる
(犬が不安でそりを引かない・喧嘩が始まる) |
5頭、10頭といった一つの犬の団体がそりを引いているのではありません。個々に違う感情や体力、気力を持つ犬ですのでそれぞれを個別に観察してあげなければなりません。
初めてなのにやらなければならない事は自分の五体と五感を全て使っても足りないほどたくさんあります。慣れればそれほど大変だとは思いませんが、一般的な乗り物と次元が違うところが楽しさであり、難しさなのです。